初めてライブハウスでのバンドのライブに行ったのはどのバンドだったかもう思い出せないけど、2007年のことだったのは間違いない。2006年にRAG FAIRに出会ったときちょうどライブハウスツアーをやっていて、ライブハウスってものへの憧れと怖さが入り混じっていたので到底一人で行く勇気は出なくて、当時はまだ仲良くしていた親友を誘って初めてなんばHatchに足を踏み入れたのだった。あの時の、入場列に並んだ時の高揚感はずっと忘れないだろうと思う。
LOSTAGEに出会ったのは2017年の"In Dreams"発売で、それまでにすでにライブハウス通いは慣れていたもののLOSTAGEがやる箱ってだいたい小さくて、しかも音楽的にも状況的にも誘える人がいなくて、始めはLOSTAGEのライブに行くっていうだけで私にとってはチャレンジだった。私の初LOSTAGEは、心斎橋CONPASS。小さかった。五味さんは真っ赤だった。飲んでステージに立つタイプの人なのかな、と思っていたら、発熱していたのだとあとでわかった。あの日のライブもずっと忘れない。
そんな私にとってNEVERLANDという場所は、「知り合いの知り合いがホームパーティーするから来たかったら来ていいよ」と招かれて行くみたいな、本当に自分なんかが行っても大丈夫なのかな?と思ってしまうようなイメージで、初めて行くと決めた時は本当に怖かった。
小さい箱がなんで怖いかって言うと、やっぱり「自分が浮いてしまわないか」っていうところがいちばんの怖さじゃないかと思う。どっちかと言えば図書館とかのほうが全然居そうなタイプで、怪訝そうに見られないかとかなんでこんなおばさんがいるんだとか変な奴だと思われないだろうかとか、日頃からの自意識過剰が増幅されるようなところがあってそれがしんどい。じっさい今でも私はライブハウスよりも図書館のほうがずっとリラックスできる。
だけどこの数年で学んできたことの一つは、「変な奴であれ」ってことだ。むしろ変な奴じゃなくて「私」であると言えるだろうか。突き詰めるとそれはかっこよさに反転したりする。そして自分が変な奴だと思われないようにしようとどんなに頑張ったところでその評価は見る人次第であり、自分が精一杯かっこつけているのを逆にダサいと感じる人もいる。そんなものをいちいち気にしていたらキリがない、その境地に至るにはやっぱりそう感じる回数を重ねていくしかないと思う。そう考えると、ライブハウスは私の価値観を変えてくれた場所、とも言える。
ライブに通うようになった頃は、行った先で似たような子を探しては声をかけたりしていた。それも悪くはなかったけど、次第に声をかけられるのが嫌な人もいるのがわかったり、自分が声をかけられたくない気分の時もあったりして、ずっと一人で過ごすことの怖さへの開き直り、みたいなものもできてきた。友だちと来ている人や、ライブ仲間と話している人もいたりするけど、一人の人も全然いる。ほとんどの場合、来ている人の目的はステージだから、転換中とかちょっと手持ち無沙汰だったりするけど1時間も続くわけじゃないし、転換中のBGMとか転換中の様子とかも楽しかったりする。
陰キャだからとかコミュ障だからとか、ハブられてるみたいになるのが嫌だとかなんかそういうようなことでライブハウスに行くのを躊躇している人がもし今この文章を読んでくれていたら、まあいいから行ってみなはれと言ってあげたい。行ってみたい気持ちがどこかにあるのなら、私のようにモヤモヤした気持ちを経験することになってもそれはきっと未来への糧になる。
そしてステージに立つような人たちは誰もがそういうレベルはクリアしていて、ある意味で開き直っている。だからこそステージに立てる。その人たちが今目の前で繰り広げているものは音楽だけど、ともすれば繋ぎ合わせて作ることもできる録音ではぜったいに表現できない成分がいっぱい含まれている。とくにバンドのライブの場合は、今この瞬間のメンバーそれぞれの調子がまずあって、全員の調子が調和しているからこそ一体となっているわけで、それはやっぱりソロには敵わない凄味となる。
もしかしたら最初はライブハウスに自分がいるっていうことに緊張してしまって、その凄味を感じ取る余裕はないこともあるかもしれないけど、回数を重ねれば緊張は薄れてくるし、そうしないとこの経験はこの先もずっとできない、それはとてももったいないことだと思う。「行ってみたい」という気持ちを優先してあげてほしい。
ライブハウスがこわかった昔の自分へ。
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LOSTAGEの感想はツイートしたのでLegeckoの感想を少し。
こういうふうに表現して好意的に受け止めてもらえるかどうかわからないけど、『BLUE GIANT』を観てきたばかりだからかどうなのか、フロア前列からステージ含めて漫画とかアニメを見ているようだった。正式メンバーになったばかりというベースくんもジュノンボーイみたいだし、ボーカル氏は背は高いし髪が長くてキリッとしたイケメンでいながらパフォーマンスは熱いし、ドラムくんは位置的にあまり見えなかったけどLOSTAGE愛は十分伝わった。岩城さんのことも相当尊敬しておられるのだろうと思った。存じ上げないけれど。(はやってるのかな?)
ほんでまたファンの子たちがヒエラルキー上位の陽キャ美人ってな感じの子ばかりで、私が同年代でLegeckoのファンとして初めて行くライブだったなら、完全に怯えてただろうと思う。もしファンの数を増やしたいと考えているなら、そういう怯えてしまうタイプのファンへのアプローチも考慮に入れてあげてください。ぜひ。
LOSTAGE!!!
ヒラタくんに負けないくらいの愛がある自信あるよ。めっちゃ見てるしな。客なめんなよ思いながら睨みつけるくらいの気持ちで見てるから。だから凄さも知ってる。MCで五味さんちょっと息上がってて大丈夫かな(歳やな)思ったけど、演奏は衰えることなくむしろその都度記録更新されていく。新譜を出すと聞いても安心して待っていられます。
LOSTAGEのホームページを見ると、しれっとあの写真がアー写として使われているけど、あれ、初見では(これなのか)って思ったけど見れば見るほど味とか意味を感じていいと思う。ダリみたいだし。
Legeckoの新ロゴもかっこいい。五味さんってMCとかもそうだし話しても普通の人なのに、いったいどこからアイデアを引き出しているのか。きっとちゃんとその界隈の神さまと繋がることができてるのだと思う。大尊敬。
需要あるかわからんけどセットリスト
窓
ポケットの中で
ノー・エスケイプ
新曲
楽園
Surrender
胎動
新曲
瞬きをする間に
以上、たぶんだけど。
新曲のタイトルは言ってたけどネタバレになるので秘密。
以上、2900文字でした。ここまでお付き合いいただいた方、お疲れ様でした。
[追記 2023-03-27 23:00]
新曲のタイトルを伏せたけど、セットリストをネタバレしたのはまずかったかもしれないとおもいました、失礼しました。
先のはタイトル「平凡」で、どこが!?と曲中ずっとおもってた。後のは「Soul Search」表記不明。
ツアーも発表されて、全都道府県ってわかっててもやっぱりこうして見ると圧巻だな。和歌山は8月、早めでうれしい🥰
新曲を初めて聴くのがライブっていいなってこの日のライブで思った。平凡が凄すぎて曲終わったとき声上げたけどみんなポカーンて感じで(間違ったかな💦)思っちゃったよ。
ツイッターでバンド名で検索するとみんな盛り上がってて、庭で遊ぶ子どもたちを見守るおばあちゃんのような気分に。
和歌山はCLUB GATEで、中の人のブログにリンク張ってたからアクセスしてみたらタイトルが「人間万事塞翁が馬」をもじったタイトルで親近感を禁じえない。苦笑。
移転前に曽我部さんを観に行ったことがあるよ、たしかサニーデイだったと思うのと、たしか対バンはフラカンだったような記憶。
最終日となるのであろう????がいっぱいついてるやつは、文字数確定なのかな。場所は8文字、会場にスペース空いてるのが気になる。きっと大きいとこ…ZEPP???まさか?何はともあれ来年だ。まあ行くよね。おそらくね。
[追記ここまで]
ひさびさLOSTAGE@ネバラン。ノーエスケープは私は2回目、もうすっかり自分の耳にも口にも馴染んでた。胎動のバンドバージョンをめっちゃ楽しみにしてて、案の定予想を上回るアレンジになってた。まっさらの新曲は2曲、もう、信頼感しかない。総評、月曜のライブに行きたくなっただけだった!東京!
— N-moca☯NaokoYamada (@Nmoca77) 2023年3月24日
まっさらの新曲2曲ともめっちゃよかったなあ。。歌詞ほとんど聴き取れんかったけど。東京はさらに新曲が聴ける、めっちゃ羨ましい。いいなあ、東京。
— N-moca☯NaokoYamada (@Nmoca77) 2023年3月24日
五味さん(兄者)が MUSIC FROM THE MARSのTシャツを着ていたよ。私はTHE FIREWOOD PROJECTのフーディーでした。
アルバム楽しみだなあ。。ツアーも楽しみだし。どういう日程になるのかわからんけど、あえて地元のライブのときにアルバム買おうかな。奈良は行かずに。行けるだろうけど。待っとく。待つ。来てくれるのを待つ。待てるかな。
— N-moca☯NaokoYamada (@Nmoca77) 2023年3月24日
[2023-03-25 11:03]