基本的に商品は定価で買いたいと思っているタイプである。作った人(企業)から価格が提示されているということは、それがその商品の対価として相応しい価格なのだと思うし、そこで値切るということは、別な場所で値切った分の支払いに相当する何かが発生する、それが宇宙の法則なのだと考えているからだ。それは例えば本来払う必要のなかったお金を払うことになるとか、盗まれるとか落とすとか、そういうことである。
しかし両親は団塊の世代の人間で、二人が値切るのは度々見てきている。うちは自営業をしているので複合機を買う必要が生じたとき、二社で争っていて、一方は「もう本当にこれで勘弁してください、わたしの首が飛びます」って感じの泣き落とし作戦で来たんだけど、もう一方は、なんでこの定価がこの金額になるんですかっていうくらい値下げしてきて、当然そちらを選ぶこととなった。断る理由がないからだ。
そんなわけなので、もしかしたら商品の価格には、初めから値切られる予定も含まれている場合もあるのだろうという推測もしていて、値切ってこない客だったら儲けもん、値切ってきてトントンくらいに設定している場合もあるのだろうと考えている。
そうすると宇宙の法則はどうなるんだってことになるわけだけど、そこらへんが私もどう扱えばいいか悩むところである。
とは言え、妥当な価格で提示しているのに、小売店が販売元に断りにくいやり方で値下げを要請して、そのおかげで消費者は安く買えている、という話も食品業界で聞いたことがあるし、やはり基本的に定価で買っとけば間違いないとは思っている。
損して得取れ、というところでもある。(ただしカモにならないように気を付ける必要はある。)
というのが長い前置きで、今日初めて家電量販店で値切ってみた。
家電量販店で買い物する時も、だいたいは必要があって買いに行くのだから定価で買って当然みたいな感覚で行く。しかし今日は事前に検索して見つけたサイトで、ネットで買うのと量販店で買うのはどう違うのかを解説していて、そこに「量販店は値切れる」というメリットが書いてあった。
そして店に行ってみると、私が目星をつけていた商品が42800円で売ってあった。しかしその隣に置いている他社の同等品が、39800円になっていた。機能的にも外観もそちらのほうが気に入ってしまった。ちょっと安いというのが何より魅力的であった。
ところが置き場所のスペース的に、そちらの商品はギリギリの感じだった。私の測り方が相当甘かったのでもしかしてまったく問題なく置けたかもしれないんだけど、もともと目星をつけていた商品であれば問題なく置けることはわかっていた。
そのことを店員さんに相談しているとき、少し勇気を出して「こっちのほうが安いからね、こっちはもう下がりませんよね?」と聞いてみたら、なぜだか知らないけれど「もう一緒(の値段)でいいですよ」とあっさり言ってくれたのだ…!唖然!そんな簡単に下げてしまうものなの?3000円も?じゃあなんでその値段で売ってるのー!
まあおそらくこのくらいなら負けるとか店の規定があって、店員さんもごちゃごちゃやり取りするのはめんどくさいとか、なんか理由があったのだろうけど、びっくりするほど即答で負けてくれたので拍子抜けしてしまった。
しかしレジで別の人に変わった後言われた金額は、元の金額を超えていたので、「ちゃんと値下げされているか」を確認したら、リサイクル料とかでその金額になっているのであってちゃんと値下げしているとのことだった。
この一見どうということのないやり取り、私にとっては二つのハードルがあった。一つ目は値切ること。二つ目はちゃんと値切れているか確認すること。いつも黙って引き下がってしまうタイプなのだ。ええかっこしいとも言えるし、気弱とも言える。そこをクリアしたのは、私にとっては結構な体験であった。
レジのお姉ちゃんにはちょっと変わった人と思われているみたいなオーラを感じたけれど、私自身はその二つをクリアできたので上出来である。自分を褒めるためにこんなブログを書いている。
なお、買ったのは洗濯機で、目星をつけていたのは日立の5.0kgの全自動、隣に置いていたのはパナソニックの5.0kgの全自動でした。日立のほうが売れにくいのかな。。なんで同じ金額にしてくれたのだろうか。ありがとうございました。搬入は土曜日!