N-moca LIGHT

Everything should be okay because YOU ARE ALIVE.

台風の日の普通じゃない一日

父のルーツである山奥の限界集落で独り暮らししていた父の兄が、他界した。

兄弟仲が悪く、祖母が他界したあとは父は兄を遠ざけていた。伯父はあまりにも癖の強い人で、民生委員の訪問も突っぱねていたそうだ。

伯父の妹がごくたまに連絡を取っていたようで、家の中がめちゃくちゃだとは聞いていたけど、本当に絵に書いたようなゴミ屋敷になっていた。

家の外で倒れていたのを近所の人が見つけてくれたそうで、私たち家族が駆けつけたときにはまだ警察の人たちがなにやら手続きをしていた。

人が死ぬ時、医者が看取っていれば何の問題もなく葬儀、火葬と段取りされるけど、今回のように誰も見ていなかったら警察があらゆる可能性を検討し、事件性がないことを確認し、警察が呼んだ医師に診てもらって死亡診断書を書いてもらい、それでようやく警察の手を離れる。

家に着いた時、父が兄弟ということで警察から事情内情を聞かれていたけど、その間家の中で電話が鳴っても親族ですら電話に出るため中に入ることも許されない。いろいろと難しいものだ!

伯父宅は水道が故障していたようで、いつも川から水を汲んで使っていたようだ。当然お風呂や洗濯にじゃぶじゃぶ水を使うなんてこともなかっただろうし、ゴミ屋敷の中で哀れな晩年だった。これもまた、一つの人生。

直葬と言っても納棺は必要で、今は葬儀屋さんが来てくれるのを待っているところ。トイレにすら入れないので、父が役所に行くのに母と叔母がついていった。私は留守番中。

享年79歳。誕生日前日に息を引き取り、誕生日当日に久しぶりに弟家族と妹が顔を見せたのも、天のはからいか。

伯父の死で学んだことは、独居でも外で人の通るところで息を引き取ったら誰かが死後すぐに見つけてくれるということと、後始末にかかるお金は残しておくべきってこと。

それから、助けの手を差し伸べられた時には素直に甘えられる人でいること。

さて、これで限界集落に我が家の血族は居なくなった。山の中にあるお墓やこの家のこと、これからどうなるんだろうな。我が家に新たな課題が舞い降りた。

[Posted at 16:45]