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『インドとビートルズ』を読み終えた

昨日の朝、ジョージの命日であることを思いながら、私にとってジョージとは、と考える前、この本はちょうど中ほどのマハリシが登場したあたりで、ビートルズの出番もなくて退屈し、なかなか読み進めないでいた。

インド占星術の学習を再開しようと決めた途端するするとページが進み、本日読了。読み終わってみればとても面白い本だった。特定の誰かに過度に配慮するわけでもなく、極めて中立的な立場を守って集められた情報をわかりやすく組み立てているという印象で、しかしビートルズへの愛が深いからこそできた作業だったのだろうと思わせる。マハリシの一側面を伝えるという意味でもおそらく貴重な本。

リンゴとポールがそれぞれ先に離脱した後もアシュラムに残ったジョンとジョージがマハリシに反旗を翻してから先のことは、全員が波風立てないようにしていたために情報が少なかったのかもしれないけど簡単にまとめられている印象で、私としてはそこらへんのジョージの信仰心の変化についてもっと掘り下げた文章を読みたかったんだけど、それはジョージのインタビュー集に期待すべきところかもしれない。こちらもまだ中盤。

それにしてもかつてのビートルズの女性関係の派手さとかドラッグとの関わりとかを知ると、時代の変化というものについて、儚さというか、無常感というか、確かなものなんてないな、という気分になる。

人々は大きな流れに流されるままに意見を形成し、それをマスコミが騒ぎ立て事を大きくし、いずれ政治や経済に影響する。そんなふうにして社会は動いていて、それを嘆いたってどうにもならない。

時代の声、を読み間違えると袋叩きに遭う。それは今に始まったことじゃないってことを、しみじみと感じた。

マハリシが亡くなるまでにメンバーはマハリシと和解していたようで、結局マハリシがコミュ力オバケのペテン師だったのか、それとも実際は信頼に足る人物だったのか、この本からだけでは判断が付きにくいけれど、想像するに、YouTubeが台頭してきて以降のチャンネル主であるスピリチュアルリーダーの、先駆者的な存在だったんじゃないかなと思う。だとしたら私は毛嫌いするタイプの人だ。

誰もが「この人は間違いのない本物だ」と言っているような時も、自分の直感が疑っているならまず周りの声より自分の声に耳を傾ける私でいたいものだ、と思った。

[2023-11-30 21:12]