N-moca LIGHT

Everything should be okay because YOU ARE ALIVE.

地球という名のこの星に願いを

Prayer of a Child

Prayer of a Child

  • エリック・クラプトン
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

生きてたらいろんなことがある。

自分に降りかかる出来事は、直接的に自分の感情を揺さぶり、時に絶望し、何のためにこの生があるのかなど考えてみたりするけれど、正解は与えられない。自分で見つけるしかない。

そんなふうに落ちぶれているその瞬間も、世界のどこかで罪のない人々が傲慢な輩どもに苦しめられている。

若い頃は遠い国で戦争が起きていても、自分への失望のほうが問題で、お前は幸せだと言われても実感がわかなかった。私も歳をとったということだろうか。

クラプトンがこのコンサートやこの曲に込めた本当の想いを私は知らないけれど、それでもこの曲に溢れる哀しみは、私の幸運を知らしめる。今浸っている絶望感など妄想に過ぎないことを思い出させる。

ロシアがウクライナに武力攻撃を仕掛けたとき、世界は自粛ムードになったけれどそれも数カ月でうやむやになった。そのうちあちこちで紛争が起きて、気にはなっていてもよその出来事になっていった。

正義感の強い人々がデモをして武力行使をやめよと訴えたり、国連でなんらかの決議がなされても戦争が終わらないようなときに、私のような力なき一般市民にいったい何ができるだろう?

人によってはただの無責任無関心だと感じるかもしれないけれど、それなりに関心をもって社会を眺めてきた今の私の答えとして、戦争に反対の意思を示す最大の行動は、戦争を煽るような言動をスルーし、日常をできるだけ楽しんで過ごすことじゃないかなと思っている。

戦争をやるような奴らが「反対だ!」「今すぐ攻撃をやめよ!」と大衆に迫られたとき、大人しく引き下がるはずもなく、結局そこで新たな対立が生まれるだけだと今の私は思っている。

それは今酷い経験を強いられている人々を見捨てることとも言えなくはない。もしも無力な私にもできることがあるなら。

このアルバムの収益がガザの支援に使われて、それがどれほどの価値のあるものなのか私は知らない。けれど、エリック・クラプトンという人生の苦難を舐め尽くした人物が、その影響力でもって苦しむ人々の助けになることを願って作品を世に出すなら、その一部として私も関わりたい。すずめの涙ほどの、僅かばかりの寄り添いの気持ちとして。


地球とは誠に美しく哀しい星だな。どうか人々の意識が次元上昇して美しさだけ見せてほしいと願わずにいられない。

遠い国の子どもたちも、近くで泣いているかもしれない子どもたちも、夜はただ静かに安らかに眠れる日々でありますように。

[2024-04-26 2:00]