N-moca LIGHT

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2022年8月が終わる前にどうしても書いておかなければいけないこと

naoko-y-life.hatenablog.com

青山透子さんのブログはこちらへどうぞ↓↓↓

tenku123.hateblo.jp


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青山透子著『日航123便墜落 遺物は真相を語る』を読了した。

最初に図書館で『圧力隔壁説をくつがえす』を借りて読んだので、これで4冊読んだことになる。もう1冊読んでないのがあるけど、それは大阪に出ないと買いにくいので10月頭に大阪に出たときに買う予定。

もしこのブログをチェックしてくれている人がいるとしたら、この話題ばかりでもううんざりしているかもしれない。だけどここまで読んできて、ただ自分の学びとするだけじゃなくやっぱりこれだけはどうしても書いておかないといけないのではないか、と思うことがある。

それは、事故の被害者がどんな最期を迎える羽目になったのかということ。

離断遺体といって全身がバラバラになってしまった人が、505名の乗客の約半数もいた。それだけではなく、「当時、検死にあたった医師たちが『筋肉や骨まで炭化し、二度焼きした形跡がある』という資料を残した(『遺物は真相を語る』P.49)」。二度焼きというのは根拠のない噂ではなく、実際に遺体に接した医師が言ってることなのだ。

筋肉や骨まで炭化って…しかも全身バラバラで。検死をした医師は「ジェット燃料ってこんなに燃えるものなのか」と疑問に思っていたそうだけど、ジェット燃料は灯油とだいたい同じものと知り、灯油ではここまで炭化しないと断言しておられる(『遺物』P.62)。

私も図書館で借りて読んだ『墜落の村』などの著者であり、群馬県警刑事官で身元確認班長だった飯塚訓氏は、徹夜で原稿を書いていた時、現場の木片で作ったミニ版の慰霊塔が突然ガタガタと揺れ出した。奥様の提案でお線香とお水をあげ、数珠を掛けたらピタッと音が止んだ、というエピソードを青山さんに語っている(『疑惑のはじまり』P.329)。

青山さんが映画『沈まぬ太陽』のエキストラに参加したときは、参加者たちとの会話の中で、遺体洗い場となった学校のプールが臭いが染みつきとても使える状態ではなかった、そのため取り壊されて新しく作り変えたがなぜか底や壁にシミが出てきて人の形になった、体育館の床でも同じようなシミが出たり、そういう話はたくさんあると地元の方々が語っていたそうだ(『疑惑のはじまり』P.321)。

こういうエピソードを読んで、私は改めて33回忌の全日空機緊急着陸の一件は、被害者の叫びだったのだと確信した。
命の尊さに思いを馳せる8月上旬 - N-moca : Life Diary

被害者の炭化遺体は、ベトナム戦争でナパーム弾という焼夷弾で焼かれた炭化遺体と似ている(『遺物』P.146写真掲載)。お盆の前日、なんでもない一日、ディズニーランドやつくば万博の帰り道、帰省の往路、東京から大阪にただ移動したかっただけの人々が、なんの前触れもなく「戦争」の犠牲者となった。その事実。

そりゃね、簡単に「冥福を祈る」と言われたくらいでは納得できないだろうと思う。これほどの壮絶な経験を無駄死にとしてくれるなと訴えたいだろうと思う。

個人的に、物質として以上の人間存在に関心を強く寄せている者として、この経験をどう活かすのか。

日々を謳歌するためには、戦争のような醜いものからはできるだけ目を背けていたい。ウクライナで取材をしてきた若い日本人ジャーナリストが、日本に帰国して安心する反面、彼らのことを思うと「幸せになれない」と語っていた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/130e32887a5189b538a4b788f0f3bd573c5dc142?page=2

言うなれば誰もが「いじめの傍観者」みたいな立場にいるのだ。生まれながらにして。そういう星に生まれている。

冤罪だってちょっと検索しただけでいくらでも出てくる。そしてそれらにはたいてい冤罪を否定する説もついてまわるという印象がある。人間社会は欺瞞に満ちている。そういう社会で生きている。

それを知っても暗くうつむいて生きていくことが正しいわけではない。人は誰しも喜びを感じたくて生きていると思う。だからといって目を背けていいわけでもない。そのバランス感覚。

2022年8月は、私にとって紛れもなく転換点となる強烈な印象が刻まれるひと月だった。

[Posted at 10:20]